パン屋開業と経営

パン屋開業は簡単、経営は大変

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誰に売るのか?

      2016/12/26

ペルソナという言葉をご存知ですか?

ペルソナとは架空のお客様像(人物像)のことでマーケティングでよく使われる言葉です。
あなたのお店に来て欲しい人「こんな人に買ってほしい」というターゲットをできるだけ詳細にイメージして戦略を立てるために使います。

例えば
・38歳の主婦、名前はAさん
・7歳と4歳の娘がいて、ご主人は製薬会社の研究員
・服装はシックで派手なものを嫌う。
・隣り町に昨年できた高級マンション住まい
・車はプリウス、趣味は旅行と食べ歩き
・食事に気を使っていて、添加物の入った食品は基本買わない。
・美味しいものを人にあげるのが大好き

このように、できるだけ詳細にライフスタイルや価値観、趣味嗜好までイメージして架空の「こんな人に買ってほしい」人物像を作るのがコツです。

そうすることで、Aさんは
・どんなパンを欲しいか
・どんな包装が好きか
・どんな接客を望んでいるか
・どんな価格設定なら受け入れられるか
などをイメージできるようになり、Aさんが喜ぶ商品とサービスを提供できるようになります。

これを徹底すれば商圏内に住む沢山のAさんをお店に引き寄せることができるのです。

「そんなことしたって、Aさんしか買ってくれないじゃない。もっといろんなお客様がいるのに」
とお思いでしょ?

でもね、その考えは違うんです。
万人に気に入られるお店、商品、サービスというのは作りたくてもできないんです。
だって人の好みは千差万別なんですから。

だからこそターゲットを徹底的に絞るんです。
そうすることで、Aさんはお店のファンになってくれる可能性が高くなります。
ファンになってくれた方は「ねぇねぇ、あの店知ってる?」と親しい方や価値観の近い人に宣伝してくれます。

ファンを着実に増やしていくことでお店が(経営が)安定します。
小規模なパン屋さんなら、ファンが100人を超えたら一安心ですよ。

ペルソナを設定すればブレない経営も可能になります。
商品開発や人材採用、内装や小物のチョイスまでお店の世界観が自然と統一できるようになります。

ただ、注意して欲しいのは、作り手の希望だけでペルソナを設定しまうと現実とのギャップが生まれて失敗するということです。(そもそも、そんな人物像はこの町にいなかったなど)
ペルソナの設定はしっかりとした商圏調査に基づいた現実的な設定が必要になります。
「これならいけるはず」という確信が必要です。

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